2007-03-05 (Mon) 15:55[
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春の陽気に誘われて、気の早い桜が咲く上野公園にまで足を伸ばし、東京都美術館で開催されている「オルセー美術館展」に行ってきた。
ルノワールの「ジュリー・マネ」、ミレーの「グレヴィルの教会」、ゴーガンの「黄色いキリストのある自画像」など美術の教科書や画集などで一度は目にしたことのある著名な絵画が140点も来ていて、さすがフランスの誇るオルセーの所蔵品と感心させられた。なかでも、チケットや広告にに載せられ今回の見所のゴッホの「アルルのゴッホの寝室」、モネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」は大勢の人が塊になってみて居る。中でもモリゾは邪魔者なしに見るのは難しく、時間をかけて最前列に辿り着いてじっくりと鑑賞してきた。
このモリゾ、黒い衣装を着けたマネの弟子のモリゾの横から差す光が、若い女性の美しさと聡明さを浮き出させていて、じっくり見ていると吸い込まれるような感じ。胸には作品名となっている「すみれのブーケ」が付けられているが、これは暗くて付けているのがやっと分る程度。蛇足だが、マネがモリゾを何点も描いていて、この作品が1872年に描いた最後の肖像画とのことで、描かれてから2年後にモリゾはマネの弟と結婚したらしい。
作品は多いが肝心の名作は一・二点というのとは違って、入場料1500円+解説レシーバー500円も惜しくはない展示で、腰は痛くなったが、充実した2時間を過ごした。
そろそろ道端に咲きだしている「すみれ」だが、少し調べてみると、花言葉は「小さな愛」「誠実」。ギリシャ神話では愛するイオを失ったゼウスがその瞳の美しさを思い出して、創った花とされるが、キリスト教が広まった西欧では聖母マリアの花と言われたしい。モネの時代には、この花束は、毎日夕方になると、街頭の花売り娘や劇場で売られたという。
日本では昔からある庶民の花で、日本の名前「すみれ」は、大工道具で墨で印をつける時に使う「墨入れ」の形が、すみれの花びらに似ていることから名付けられ、「墨入れ」が変化し「すみれ」となったとの説が一般的。
気がつかなければ見逃してしまうような可憐な花で、『菫ほど小さき人に生まれたし』は、漱石の句。
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